第4、 どのような土づくりをしたら作物が良く育つのか。 |
【健康に作物が育つ良い土壌とは、】
土中有機未分解物・残渣物等の分解と微生物のアンバランスの修正、残留肥効の甦生(ヨミガエル)等の、作物の生育に必要な栄養成分のバランス的供給動態形成する事にあり、成育阻害要素(無機態窒素による障害・有機酸による障害・窒素飢餓による障害・フェノール性酸等による障害・寄生虫卵等による障害など)の発生要因である未熟物・未分解物等を微生物の分解、増殖で、土中分解機能で淘汰し、健全な育成土壌の構造「団粒構造」を形成する事であります。
【健全な育成土壌の構造を、団粒構造と申しますが 】
団粒構造とは、土の中にある小さな単位が団子になることです。
土の中には岩石鉱物や粘土、腐植や微生物など小さなものがあり、これらが電気的にプラス・マイナスで結ばれたり、菌の出す粘膜物質で糊付けされたりして、団子状に寄り合され、こうして一旦出来た団子が更に寄り合って大きな団子になります。
水にさらされても壊れにくく、1ミリ~5ミリになった団子を団粒と呼び、この団粒で出来た土を団粒構造化された土と言います。
団粒構造は、微生物や腐植の投入により、土中の微生物相の改善・土の団粒構造化が促進され、排水性・保水性・通気性などを備えた、良く肥えた理想的な土壌にする事なのです。
従って、土づくりの基本は、団粒構造を形成する事、作物の根が確りと張り、健全に生育が出来る、土壌環境を作る事に尽きます。
※(単粒・細粒構造の土壌を団粒構造の土壌へ作り変える事なのです。)【土壌環境の整備】
堆肥や緑肥(有機物)を施した土の中には、微生物、ミミズ等のたくさんの生き物が棲み、いつも土を耕しています。
そして、ミミズ等の小動物の分泌物、作物の根から排出される分泌物【有害代謝産物】や、微生物からの分泌物、カビの菌糸などが土の粒子を団子状に結びつけて、団粒にするのです。
※(団粒の構造は、単粒よりも大きく凸凹が多く内部に小さな隙間を多く持って形成されます。)
これら大小の団子粒が組み合わさると、さまざまな空隙をもった通気性の良い土壌となり毛管水をしっかりと保持し【保水性】、土が乾くのを防ぐとともに、余分な水は短時間に排除【排水性】する機能を有します。
※(単粒の土の中の水は、晴天が続くと地表に移動しすぐに乾燥し、パサパサや固まりに、逆に多く水を含むと、トロトロになり通気性が悪くなり、根腐れなどを起こし易くなります。)
こうした空隙には細菌、放線菌、その他、さまざまな菌群が共存し、更に団粒化が進みます。
※(団粒化した土壌は、ふかふかで軟らかく、保肥力も増し養分供給力も高くなります。)
その結果、雨水を蓄え日照りの時は、作物に水を与え、冷夏でも土の中は、温かく酸素を取り込みやすくなります。そして微生物などが放出する抗生物質、ホルモン、ビタミン類のおかげで病害虫や、天候不順時にも強い健全な作物ができるのです。【生理・天災障害の軽減】
第5、有機物(堆肥)施用の効果はどんな効果がえられますか。
様々な障害や生産コストが軽減され、増収にも繋がり安定した経営が望めます。
有機物とトーマスくんの連用により、腐植の増大、安定、維持は2~3年目頃より土中に有機態窒素、リン酸カリ等の成分が貯蓄され、土壌は団粒構造化が進み、腐植体と微生物群の共生が微量要素の備蓄成分の補給で保肥力も高まり、健康的な地力と肥沃な土壌の構造が形成されます。※堆肥は、くれぐれもバランスよく配合した良質のものがお勧めです。 |