土づくりをしっかり行った微生物豊富な土壌では、土に張る植物の根から、無数の毛細根が発達し、よりいっそう微生物の餌と棲み処が増し、作物が健全に生育できる様になるからです。
植物の根は、炭水化物、アミノ酸、有機酸などを分泌しており植物の根の周囲に棲む微生物は、それらを求めて集り、互いに助け合うのです。
そうなる事により、微生物の方もアミノ酸や核酸の塩基類を始め多種類のビタミン類を 分泌し、作物の根へ供給しているのです。
このように植物の根と微生物は共存共栄しているのです。
それが土づくりを怠り化学肥料の多用は、もともと火山性の酸性土壌だった日本の田畑 を更に酸性化させているのです。ほとんどの作物は、弱酸性から中性が生育しやすいと言われています。
pHは、5.0~6.5範囲内が適正と言われています。
土が極度に酸性化すると、作物は育ちにくくなり、さらに作物の成長に必要な必須元素の殆んどが金属であるため溶け易くなり流亡してしまいます。その結果、毛細根の発達 を阻害する事になり微生物もその棲み処も貧弱になります。
従って根の貧弱な作物は乾燥や病害虫等にも弱く、花や実もつきが悪く、立ち枯れ青枯れなども併発しやすくなるのです。
よって、殺虫剤、殺菌剤、化学肥料等を多用しなくてはならなくなり、その結果かえって病害虫の天敵までも殺してしまい、より一層病害虫が猛威を振るう事になってしまいます。
こうした悪循環を繰り返さないためにも、作物にとって土づくりが、いかに大切な事であるかが言えます。
《健康に作物が育つ良い土壌とは》
土中有機未分解物・残渣物等の分解と微生物のアンバランスの修正、残留肥効の甦生(ヨミガエル)等の、作物の生育に必要な栄養成分のバランス的供給動態を形成する事にあり、成育阻害要素(無機態窒素による障害・有機酸による障害・窒素飢餓による障害・フェノール性酸等による障害・寄生虫卵等による障害など)である未熟物・未分解物等を微生物の分解や増殖などの土中分解機能で淘汰し、健全な育成土壌の構造「団粒構造」を形成する事であります。